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ワーキングプアと金持ち [テレビ]

昨夜、NHKスペシャルの「急増“働く貧困層”」という番組を見た。タイトルの意味は働いても働いてもプアということらしい。途中からだったので全てをつかんだわけではなかったが、日本の将来に影を落とす深刻な問題だと思った。

妻を失い、会社の業績悪化でリストラされた50代の男性は、仕事を3つも掛け持ちし、男手一つで2人の子どもを育てていた。朝まで働く日もあるといいい、その懸命さに打たれたが、それでも年収はわずかに200万円だった。中学生の子どもはみんなと同じように塾に行きたいというが、今の収入ではそれもかなわないという。

また、高校生のときに母親に蒸発された青年は、30歳を過ぎてもなお都会を漂流し、ゴミ箱から雑誌を拾ってそれを売り、1日に何百円かのお金を得てそれで食いつなぐような生活をしていた。

もし、この番組を金持ちが見ていたとしたら、「今まで努力してこなかった自分が悪いのだ」とか、「怠けていたから自業自得だ」などと考えて、プアな人たちを切り捨てるのだろうか。

番組のキャスターが「この人たちは、これまで決して怠けていたわけでも、いい加減な生活をしてきたわけでもない。一生懸命に働いてもどうにもならなかったのだ」という主旨の発言をしていた。

私は、この番組の制作者のような視点を、政治家や強者と呼ばれる人たちに持ってほしいと思った。
今年に入って、弱者が切り捨てられることが目立っているからだ。

生活保護についていえば、受給している人の中には偽装離婚までして手当てを受けている人もいると聞いている。確かに、中には制度を悪用する不心得者もいるだろう。そういう人たちの肩を持つ気はさらさらない。
けれど、働いても働いても貧しくて、生活保護以下の生活を強いられている人の方が、格差社会が問題になっている現在では多いのではないだろうか。
フリーターの若者が3分の1という現実もそれを物語っている。

その一方で、国民が文句も言わずにまじめに払い続けている税金を、自分のお金のように勘違いして、どぶに流している役人たちがいる。
庶民からはかけ離れた高額な給料をもらいながら、中流のサラリーマンと同じくらいの年金をもらってすましている人もいる(朝日新聞には、自分の利益だけを考える人ではないという論評もあり、実際のところはわからないのだが)。

また、マスコミにセレブだとか何とか持ち上げられて、住んでいる豪邸やら、何百万円や何千万円もする宝石やインテリアや衣服などを公開して、ご満悦の人たちがいる。
彼らは、「お金があれば何でも買える」と思っているのだろうし、自分の稼いだお金を何に使おうが、他人にとやかく言われる筋合いはないと思っているのだろう。

私はこういう人たちにかなり腹を立てているのだが、彼らから見れば貧乏人のひがみと映るに違いない。
それでも私は、やはり思わずにはいられない。自分のためにだけばかみたいにお金を使って何が楽しいのかと……。

お金持ちには大きな器が必要なのではないかと思う。小さな器ではムダにこぼれていくだけだけど、大きな器を持った人なら、きっとこぼさないで自分のためだけでなく、世のため、人のためにお金を活かしてくれると期待できるから。

せめて、どんな家庭環境の子どもでも「安定して教育を受けられる権利」だけは確保してほしいと思わずにはいられない。貧しすぎて、家庭環境が劣悪な家の子どもは、自分の家には落ち着いて勉強できる空間はないし、その結果、将来に対して何の希望も持てなくなったとしたら、不幸な子どもがそのまま不幸な大人になってしまう。


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