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いい子はつらい [子育て]

私はいつも「いい子」と言われている子に会うとつらくなる。パパの言うことも、ママの言うことも、「はい、はい」とよく聞いて、決して逆らわずに、わがままも言わない。
最近になって関わり始めた小学3年生のA子ちゃんもそういう子の一人だった。A子ちゃんについては私を含む何人かの大人がチームを組んで関わることになっているが、その中の一人が「A子ちゃんはあの家族の中ではいい子にしてなければ生きていけないのよね。嫌われたくないからそうしているのよね」と言った。

私も彼女の意見に同感だった。A子ちゃんに限らず、いい子には、いい子にしていないと親にかわいがってもらえないからいい子にしている子と、親が置かれている状況の厳しさを子どもなりに理解して、親に心配をかけてはいけないと思っていい子にしている子と、さらには親が子どもすぎて、子どもが親をかばわなければならないことからいい子にならざるをえない子など、さまざまなケースがある。

あんまりいい子すぎて、けなげすぎて、「そんなにがんばらなくてもいいのに」「もっとわがまま言っていいのに」と、彼らと接していると、ついそう言いたくなってしまう。けれど、彼ら自身は、自分がいい子だとも、がんばっているとも思ってないから、そう言われても困ってしまうのだ。
だから、私はその言葉は胸にしまって、淡々と彼らと接するしかない。

Å子ちゃんはいい子でいることに疲れたのか、今はちょっと問題が起きて、心療内科に通い始めた。


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子育て支援 [子育て]

子どもに関わりながら、そのお母さんたちとも接していると、今は女性が安心して、子どもを生んだり、育てたりする環境が整っていないと思う。国は財源不足への危機感から、女性が子どもを産むことを奨励しているが、「それならもうちょっと考えてよね」と言いたくなってしまう。

さまざまな子育て支援策が打ち出されてはいるが、依然として「今のままでは不安で産めない。育てられない」という状況は変わっていない気がする。
時間的にも、経済的にも、精神的にもなかなか余裕が持てないのが、今のパパ・ママ予備軍なのではないかと思うからだ。おまけに、私が子育てしていた頃とは比べものにならないほど情報も多いから、よほどしっかりしたママでないと、それに振り回されて、新たな不安まで生まれてきてしまう。

私が知っている範囲で、行政の子育て支援が母親にとって役に立っていると思えるものが一つだけある。それは東京のある地域の、ひとり親家庭や養育困難家庭(虐待の疑いがあるもの、または母親がこころの病気にかかっていたりして養育が困難な家庭)にヘルパーを派遣する制度で、週に3回、最高で24時間、行政がその費用を出して、子育てを支援するというものだ。

私はこの制度をもっと広げて、仕事との両立に悩む母親や、専業主婦でも子育てに行き詰っている母親などが、広く利用できるようになればいいと思う。
子どもが病気のとき、母親自身が病気のとき、仕事を優先しなければならないとき、必要に応じてヘルパーやベビーシッターを呼ぶことができて、しかもその費用を制限つきではあっても、行政が分担してくれればいいと思う。
つまり、産んだあとの支援が充実していれば、「産んでも大丈夫」と思えるようになるのではないかと……。
今の世の中、高齢者にはずいぶんと予算が使われているが、それに比べると子どもにはまだまだという気がしてならない。


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子どもの気持ち [子育て]

私のブログを気にして見てくれているらしい娘から注意された。「ちょっと、偉そうに書いているよね」と。そんなつもりは全くなく、読んでくださっている方を自分の娘のように思って書いていただけなんですけど。そう感じさせてしまったとしたら、ごめんなさい。かなり気にして、反省しています。

前回は妻の気持ち、今回は子どもの気持ちについて書いてみたいと思います。

先週のNHKの朝ドラの「ファイト」を見ていて、子どもの気持ちを母親が気がつかないのは、ありえることだと思った。

仕事を終えた母親が、11時に家に戻ったとき、6歳の子どもが寝ないで待っていた。「こんな時間まで、どうして、寝なかったの。ごめんなさいと言いなさい!」と、母親は子どもを叱った。母親にしてみれば、翌日は学校もあるし、小さな子どもがそんなに遅くまで起きているのはよくないことだと思ったに違いない。母親の側からすれば、そう思うのも無理はない。

けれど、夜の11時まで帰って来ない母親を待つ子どもの気持ちはどうなんだろうと、私は子どもの気持ちになって考えてしまった。子どもはさびしくはないのかしら、心細くはないのかしら、不安ではなかったのかしら、と。
翌日のテレビでは、帰って来ない母親のことを、子どもが心配していたことがわかって、母親は「ごめんね」と子どもに謝り、子どもの気持ちもすっきりしたようだった。

このドラマの内容と関連するのだが、最近、読んだ本の中に、「気持ちを大切にとか」「思いやりのある子どもに」とか、大人は子どもに言うが、最近は、大人自身が気持ちというものに注意を払っていないことが指摘してあった。
大人も忙しくて、次々とやらねばならぬことをこなすのが精一杯で、気持ちを思いやるどころではないと、いうのだ。

このテレビでは、子どもが家出したことで、母親は子どもの気持ちに気づくことができた。ドラマとはいえ、ほっとした。


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夫と子育て [子育て]

妻の職業の有無によらずに、夫が子育てにもっと協力的であったらと思う妻は多いと思う。6歳未満の子どものいる世帯の夫婦の一日の育児時間は、妻2時間29分に対して、夫は17分になっている。これは10年近く前の調査によるものだが、現在でもあまり変わらないのではないかと思う。「子育ては母親がやるもの」という文化が、日本には深く根付いているからだ。

今は景気もよくないし、夫の労働時間も長くなっていて仕事もきびしいから、育児に協力的でない夫に「少しは、子どもの面倒をみてよ」と、妻が怒ったところで、夫は自分の仕事のことだけで精一杯で、「これ以上、何をしろと言うんだ」ということで、子育てを巡って夫婦喧嘩が繰り広げられることだって十分にありえる。
それでも、妻は言いたい。「私一人の子どもではないんだから」「父親でしょ。少しは父親としての責任を果たしてよ」「せめて、休みのときくらい、ゴロゴロ寝てばかりいないで、子どもの面倒をみてよね」などなど。このように、夫の育児参加を期待する妻の比率は高いのではないかと思う。

どういう夫にせよ、子育てがうまくいかないときや、不安を感じたとき、妻が真っ先に相談に乗ってほしいのは夫だろう。
けれど、袰岩奈々さんという心理カウンセラーの本によると、妻が相談しても、夫からは「じゃあ、こうすれば」というできそうもない提案や、「おまえがもっとこうすれば」というような「問題解決モード」の反応が多くて、「相談するんじゃなかった」「なんか違う」という気分に陥ってしまうことが多いという。
妻の子育てでの悩みは感情面でのもやもや気分が中心なので、夫から「大変だね」「よくやってるね」と言ってもらうだけで、かなり元気になるのだが、夫にはそれがわからないというのだ。

これには私も全く同感だ。妻は、夫に自分の気持ちをわかってもらえれば、それだけでかなり救われるのだ。それを、「子育ては女がやるもの」とか「おまえの育て方が悪いから、子どもがおかしくなるんだ」みたいなことを言われたら、妻だって立つ瀬がない。

社会で働く夫も大変かもしれないが、子育てだって、ひとたび悩みはじめたら、それはそれでつらくて大変なのものなのだから、それを理解してくれる夫が、もっともっと増えてくれるといいなと、私は思っている。


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かわいいだけではすまなくなる PART 1 [子育て]

子どもにかかわる仕事につく前に、大学やその他の機関でいろいろ勉強したなかで、印象に残っている話がある。

それは、生まれたばかりの赤ちゃんに対しては、ミルクを飲まなくても、いっぱい泣いても、怒って、も、夜泣きをしてママを寝かせてくれなくても、「する」「できること」を赤ちゃんに要求することはなく、無条件に受け入れているのに、月齢が進んでいくにしたがって、「する」「できる」ことを要求するようになるというのだ。

初めてわが子と対面したときには、もうただただ無条件にかわいくて、皇太子妃殿下の雅子さまではないが、「生まれてきてくれて、ありがとう」という気持ちになる。

ところが、半年を過ぎたあたりから、「座った」「立った」「歩いた」というように、「すること」「できること」を望むようになり、それがよその子に比べて、遅かったりすると、気が気ではなくなったり、不安になったりする。

早いこと、できることはいいこと、スローなこと、できないことは悪いことだという、世間の価値観に、母親が無意識的に取り込まれてしまっているからかもしれない。

だいぶ前の話になるが、私の子育て期間中でも、子どもが小学生のうちは、「お宅のお子さん、素直ないい性格ね」とほめられたものだが、、中学生になってからは同じ理由でほめられなくなった。勉強ができる子、優秀な子がほめられる対象になったからだ。

だから、ついつい親は、子どもに「すること」「できること」を期待するようになる。これも少しくらいなら親としては当然の感情だと思うのだが、高じてくると、「スローなわが子はかわいくない」「できないわが子はかわいくない」と、条件づきの愛を子どもに向けることになってしまう。こうなると、子どもは親に愛してもらうために、できる子、よい子を演じるようになり、本当の自分が出せなくなる。それでも、何とかやり過ごせればよいが、そうならない場合は、親にとっても、子どもにとってもつらい状況になってしまう。

こうならないために、お母さんたちは、生まれたばかりのわが子を、無条件でかわいいと思ったことを思い出してほしいと思う。

とはいえ、かわいいだけではすまなくなるのも現実だ。それでも、ときどきは、「私は条件付きの愛で子どもと接しているのではないか」と、自分を振り返ってみられれば、それだけでOKだと思う。
そういうお母さんを、私はステキだと思う。


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自分を責めないで [子育て]

公園デビューという話はあるけど、それよりずっと前の赤ちゃん検診の段階で、ママたちの仲間に入っていけなくて、落ち込んでいるママの話を聞いた。「私みたいに交際下手な母親をもって、この子がかわいそう」と言って、自分を責めていた。他のママたちは、みんな始めて会った同士なのに、赤ちゃんを介して、仲良く話しているのに、自分はダメな母親だというのだ。

私から見れば、そんなことはちっともなかった。そのママはまじめで、誠実で、とてもステキなママだった。そして何よりも、赤ちゃんがママに抱かれて、どんなに安心しきった顔をしているか、うれしそうな顔をしているか、それがそのママが赤ちゃんにとっていいママであることを物語っていた(その少し前までは、私に抱かれたほうがすやすやと眠っていたのにね)。

確かに、赤ちゃんが大きくなっていくにしたがって、ママ同士の付き合いもはじまっていくのだが、それって結構ストレスになる。
私はどちらかというと、誰とでも上手に付き合えるママよりも、上に書いたママのように、交際下手で、感情が豊かで、それでいてちょっとのことで落ち込んだり、めげてしまうママのほうが好きだ。
そういうママは、ピュアで、気持ちがやさしい人が多いから。

そんなママのことを赤ちゃんは大好きだと思っている。
そんなママも、赤ちゃんのこと時には放り出したくなることもあると思うけど、やっぱり赤ちゃんのことは大好き。
それでいいのだと思う。


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思い通りにいかない子育て [子育て]

子どもに関わる仕事をしていると、子どもだけでなく、ママと接する機会もしぜんと多くなる。

生まれたばかりの赤ちゃんがいる場合、ミルクやおっぱいをいっぱい飲んで、昼も夜もよく寝てくれて、あまり泣かない赤ちゃんがであることが、新米ママにとっては一番ありがたいことなんだけど、そうはいかない。
おっぱいもミルクもあまり飲んでくれない、寝たと思ってもすぐに起きてしまう。そのうえ、寝つく前にも泣いて、寝起きも悪くて、またまた泣く赤ちゃんもいる。抱っこして寝かせる場合は、それに要した時間のほうが、寝た時間より長かったなんていうこともある。
私の娘も生まれたときは、そうだった。どうして、そんなに泣くの、おっぱいもたくさん飲んで、オムツも替えて、ウンチも出て、お腹もすっきりしているはずなのに。どうして、なぜなの、と理由がわからず、ずいぶん心配したり、悩んだりしたものだった。

結婚して2年になる娘が「赤ちゃんが生まれたら、ウンチが出ないだけで、私なんか一日中、それが気になって心配でたまらないと思う」って言ってたけど、実は私もそうだった。ウンチが出ないと苦しいんじゃないかと思って、私まで一緒に苦しくなったりしていた。

あれから30年余り、子育て期間中には見えてなかったことが、今はもうずいぶんと見えてくるようになった。
仕事で赤ちゃんに接していて、泣かれることがあっても、どうして、なぜと、その理由を考えることはなくなった。
「泣きたいから泣いているのね」と、その赤ちゃんの状態や、気持ち(口はきけなくても、赤ちゃんにも気持ちや、感情はあるので)をそのまま受け入れていると、赤ちゃんの様子もよくなることがわかったからだ。
ママだって、自分の気持ちをわかってくれる人がいたら、うれしいと思うのと同じだ。ママの気持ちもわかってよ、そんなにママを困らせないでよ、とママの気持ちを赤ちゃんにわかってもらうことに一生懸命になっていると、余計に赤ちゃんはいうことを聞いてくれなくなる。
「そんなに泣きたいなら、泣きたいだけ泣いていいからね」くらいの気持ちで接するほうが、うまくいく。
時々、ママは自分を困らせる赤ちゃんのことを、ちっともかわいいと思えなくなる。それもごく当然のこと。赤ちゃんのことをそんなふうに思ったからといって、ちっとも悪いママなんかではない。

どちらにしても、赤ちゃんも、子どもも、ママの思い通りには育たないものだ。明るく、元気に、賢く、育ってくれたら言うことないんだけど、そうはいかない。
思うようにいかない子育てを経験して、ママはママで成長していくのだと思う。

そして、もし赤ちゃんが、自分の思い通りに育ったとしたら、それは子どもが、すごく我慢しているということ。
ママに甘えられない子ども、ママに気をつかっている子ども、親の期待に沿うために、がんばり過ぎて息切れしている子どもをが増えている。そういう子を見ていると、私は心が痛くなる。

新米ママさん、ママにきちんと「イヤ!」と言える子どもを育ててね。
子育ては思い通りにいかないことを、赤ちゃんと接しながら、一つづつ確認していってね。


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