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「受験の神様」と松島奈々子さん [子育て]


「塾のクラス分けテストで、下のクラスに落ちてしまうなんて、お母さん、恥ずかしくて外も歩けやしない」

このセリフは、先週の土曜日の「受験の神様」というテレビドラマの中で、中学受験の母親が言った言葉だ。

「受験の神様」は、中学受験などには興味も関心もなかった父親と小学6年の子どもが、野球が強くて名門の私立中学に合格するために、「受験の神様」と呼ばれる中学3年生の女の子を家庭教師につけて、父子ともども苦しんだり悩んだりしながら中学受験に挑戦するというストーリーになっている。

私自身はといえば、中学受験にはあまり関わりたくないと思いながら、過熱する中学受験の影響を受けてか、ここ何年かは引き受けざるを得ない状況になっていたので、好奇心も加わって、初回からこのドラマを見ていた。
今のところ、特におもしろいとか、中学受験の現状をよく描ききっているとかは思わないけれど、回を追うにしたがって、主人公の成海璃子チャンを通してテーマらしきものが見えてくるのではないかと思っている。
中学受験生に向かって、「受験の神様」が「あなたは受験がしたいの、それとも勉強がしたいの」と聞くあたりに、すでに制作者の意図が入っているような気がしないでもない。

前置きが長くなってしまったが、私には冒頭の母親のセリフが、しこりのように胸に残っている。
父親も母親も一流大学出身で、人間の価値を学歴や地位やモノやお金で判断する人たちに、こういう考え方はする人が多いからだ。
そして、多く場合、子どもは自信をなくし、傷ついている。
実をいうと、私は中学受験そのものに反対するつもりはないが、こういうタイプの中学受験の家庭に関わるのが苦手なのだ。(そうは言いながら、子どもと親の精神面でのサポートも一生懸命にやってしまうのだが…)

その子どもの性格や人柄は全く見ないで、学力テストの偏差値や、点数だけで、わが子を判断し、成績が悪いと、「恥ずかしい」とか「顔に泥をぬられた」という言葉で、子どもの悪い点ばかりをあげつらい裁く親になってしまう。

こうなったら、子どもは勉強なんて楽しいと思うはずがない。親に認められたいためにだけ、点数のためにだけ勉強をすることになってしまう。
本来、勉強というのは、いろいろなことを知ったり、自分の頭を使って考えた結果、わからないことがわかるようになる楽しい過程のはずなのに、結果だけを求められたら、おもしろさも半減してしまうだろう。

これに対して、テレビのインタビューに答えていた松島奈々子さんの言葉は好感がもてた。
「どんな子どもに育ってほしいですか」の質問に対して、「どうなってほしいかというより、大きくなったときに、どんなことを言う子になるんだろう、というほうが楽しみなんです」と言っていたからだ。

これは、母親の思いどおりに子どもをしつけるというより、子どもがもともと持っているものを大事にしたいという考え方が根底にあったからこそ、出てきた言葉だろう。
点数だけで子どもを裁いてしまう母親とは正反対の母親だ。
活躍している若い女優さんの中に、松島さんのような思いをもつ母親がいることがわかって、ちょっとうれしかった。


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こう

ダイジェスト版を見ました。
子供が家で萎縮というのは、考え物ですね。

我が家は虫や恐竜の本だらけで、勉強とは程遠い環境ですが、大人顔負けの知識をつけてきました。
好きでいろいろ調べるということは、いいことですね。
by こう (2007-08-06 23:27) 

ちいとと

こうさんは、ごく自然に子どもさんと一緒にいろいろな経験をしながら、豊かな時間を過ごしているようなので、お子さんたちもステキに育っていくと思います。楽しみですね。
本当に、「好きこそものの上手なれ」だと思います。
by ちいとと (2007-08-08 18:39) 

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