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イライラ [私のこと]

少しくらい大変なことがあっても、いつも明るく元気で、ニコニコしているというのが、人から見た私の印象らしい。
週に1度、介護に行っている母からは「私みたいなのに付き合っているのに、よく、そんなにニコニコしていられるわね」と感心されるし、家に通って来る生徒からも「先生は○○子ではなく、元気っ子だね」と言われたりもする。

やなことがあったり、大変なことがあっても不平や文句を言っても始まらないし、誰のためにもならないから、せいぜい家族や友だちに愚痴を言ったり、ぼやいたりするくらいで(聞いてくれる相手がいるということも恵まれているわけだし)、ストレスが増大することもなかったのだが、ここ1ヶ月間ほどはそうはいかなかった。

珍しくイライラしてしまって、それを抑えることが出来なかった。
原因ははっきりしていた。

まず、5月の初旬に、友人と一緒にツーリングに出かけた息子が、途中で滑ってしまって手にケガをしてしまって仕事を2週間ほど休むことになってしまったことが一つあった。
それはそれで大事に至らなかったからよかったといえばよかったのだが、それからすぐに今度は鼻がひどく詰って息をするのも苦しいと言いだした。2年ほど前から通っている近所の耳鼻科では埒が明かずに、最終的に大学病院で診てもらったら鼻が曲がっているので、手術をしなければ治らないと言われてしまった。
鼻の奥の骨を削る手術だという。

特に稀な手術というわけではないらしかったが、私はこわかったし、落ち込みもした。
念のために医師に質問してみたら、「危なくない手術なんてありませんよ」(率直で、患者思いのいい先生だったが)と言われてもいたし……。
当の息子自身はどうかといえば、去年も顎に腫瘍のようなものができて手術しているし、体のあちこちに支障があるので、病院は慣れっこになっていて、手術で治るのなら治したいと思っているようだった。
一番つらくて、大変なのは息子で、親としての私はそれを傍らで支えるしかないのだが、これまでも息子の次から次への病気に付き合うのは、結構きついというのが本音だった。

そんな折に、私が健康診断の心電図にひっかかってしまって、脈が42しかないのは見過ごすわけにはいかないと医師から思いがけないことを言われてしまった。もともと脈が少ないことは知っていたのだが、「問題だ」と指摘されると、自分でもどことなく体の調子がよくない気がしてきて、気持ちが後ろ向きになった。
そうでなくても、私は15年ほど前から、「後縦靱帯骨化症」という難病になっていて、その病気のことはほとんど気にしないようにはしているのだが、体や気持ちが疲れているときに、ふと意識の底から浮かび上がってきてしまうことはあった。

鼻の手術では息子は8日ほど入院したのだが、手術の翌日は、母の介護に行く日だった。手術の日は、もちろん私も病院に詰めていたし(3時間位かかる難しい手術だったが、手術はうまくいったと先生から説明を受けた)、小さな子どもではないのだから、手術の翌日は病院に行かなくてもいいとは思いながら、私はできれば母より息子の方を優先したいと思った。

けれど、それは出来ないことだった。私が顔を出さなければ死活問題だと信じて疑わない母を見過ごすわけにはいかないからだ。そんな私に、母は「本当にごめんなさい。スイマセン、スイマセン」と言って頭を下げる。
「大丈夫、何でもないから」と、私はいつものように笑い返しながら、孫の体のことも、娘である私の体のことも思い遣る余裕もなく、自分のことしか頭にない母の態度にイライラさせられた。
うつ病なんだし、自分の体が思うようにならないのだから仕方がないと、いつもは母を受け入れている私なのに、心の中でストレスが膨らんでいく。

もう一つのイライラの原因は息子の経済問題だった。息子は日給月給なので、休んだらその分のお給料が出なくなる。ケガで休んだ2週間、鼻の手術と術後の安静期間を含めて3週間近く、合わせて1ヶ月分以上の収入が途絶えることになる。
入院費は息子がかけていた生命保険でかなりの部分がフォローされることはわかっていたが、お給料の不足部分は、わずかばかりの貯金を崩すしかない。
息子が食費として家に入れている分を、私がなるべく使わないようにして貯金に回すようにしていたのだが、その努力がこういうことで水の泡になってしまうのを度々経験すると、むなしくなってしまうのだ。息子が悪いわけでもないし、仕方がないことなのだけれど。。


そこへもってきて、さらにライライラというより、腹が立つことがおきた。息子にとってこんな大変な時期に、住民税と、国民健康保険の「支払い通知書」がきて、その額が去年に比べて2倍近く増えていることだった。
住民税と国民保険と、それに国民年金を払ったら、親と一緒に暮らしているからいいようなものの、そうでなかったら生活できなくなってしまうだろう。
いくら何でも、これほどの住民税の増税はひどすぎる。所得税は下がっているからと政府は説明するが、住民税をもとにして国民保険も計算されるのだから、大幅な増税だ。
お年寄りや、収入に少ない若者たちからこれだけの住民税をとって、そのお金を何に使っているのだろうと思ってしまう。民間に比べてどうみても仕事がハードには思えない(かって、役所でバイトしていた経験から見て)職員たちの人件費にも当てられるのだろうか。

社会保険庁の問題だって、自分たちの不始末を、自分たちはちっとも腹を痛めるわけではなく、税金を使ってバイトを雇って解決しようとして(安いお金しかバイトには出さないのに、自分たちは法外の残業代や休日出勤の手当てさえもらっているのではないかと疑いたくもなる)いる気がして、そこにもすごく腹を立てていた。
そこへもってきて、今度は住民税のあまりの値上がりに、「一体、何なのよ」と言いたくなる。
一番悪いのは、下の人たちより上の方でふんぞり返っている人たちだとは思うのだが……。

それでも、政治家も役人も自分たちも傷んでというなら、ある程度納得もできる。
けれど、天下りで、庶民感覚とは程遠い退職金を何回ももらって平気な顔をしている人たちや、年金をむやみに投入して建設された大赤字のグリンピアとかいう施設が紹介されるたびに、腹が立ってくる。

国会議員は、国のことを考える人だから国会議員というはずなのに、自分の利益になることしか考えていない。政治家がそんなだからというわけでもないのだろうけど、今は、そんな空気が日本中に蔓延しているような気がしてならない。けれど、怒っているだけでは解決しないということもわかっている。他でもない、私たちがそんな政治家を選んでいるのだから、イライラは自分に跳ね返ってくる。

腹を立てたり、あきらめてしまうだけでなく、一人ひとりが声を上げて、政治を変えていかなければいけないのだと、心から思う。
とりあえず、今日はブログで大きな声を上げてみたいと思いました。


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こう

地道に働いていればそれなりに生活できる。
得意なこと、好きなことを職業とする。

これらを保障することはできないのでしょうが、自然と実現できる社会にすることが、ストレスのたまらない国にする方法の一つだと信じます。

お金を持つことだけが目標であれば、実際に持ったとき、正しい使い方ができないのは当たり前です。
無駄遣いした役人がいるようですが、いい思いをしているとも限りません。また、既得権にしがみついて、弱いものいじめをしたことで、お金はもらっても後でむなしくなったら、増税の意味がまったく無い。

このままでは、国民みんなが不幸になるような気がします。
by こう (2007-06-24 08:43) 

Haruka

色んな不正が明らかになり気分的には参るが、昔に比べたら不正が明らかになるだけでも、よいのでは、と最近は思います。 昔はお家大事、会社大事、として全て握りつぶされてきたのだと思います。 それが明らかになっただけでも良いことと思います。
年金はシステムとしておかしかった。 年金手帳には納付した金額も記載されていないし、調べに行っても、納付した金額は教えてくれない。 納付した金額がどのように記載され、それがどのようになり、どのように払われるのか、開示がない。  

ちいととさんも記載している通り、不満を表明することは必須です。 私はこうした問題点を少なくするには政権交代しかないと思っています。それが唯一の不正を最小化する方法と思います。
by Haruka (2007-06-24 16:49) 

ちいとと

こうさん、ナイスとコメントありがとうございます。
大人にとっても子どもにとっても、生きづらい社会になっていると感じています。子どもが大人を信頼して、未来に対しても夢を持てるような社会であってほしいですね。
こうさんが立ち上げた、「彩の自然と遊ぶ会」もその一環になるのではないでしょうか。小さな輪から大きな輪に育っていくように、応援しています。
by ちいとと (2007-06-24 22:45) 

ちいとと

Harukaさんが言われるとおり、不正が表に出るのは、それをを見逃さない人たちが存在するからで、そのことには希望がもてるかもしれませんね。
私も今の政府には不信感をもっていて、はっきりとNOを突きつけたいのですが、それではどの政党を、誰をとなるとわからないというのが実情です。
それを、一人ひとりが他人事ではなく、自分事として真剣に考えなければ、社会はいい方向には進んでいきませんよね。
私もきちんと考えたいと思っています。
by ちいとと (2007-06-24 23:03) 

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