笈川小百合さんのこと [笈川小百合さんの絵]
今日は、この7月に亡くなった笈川さんのお墓参りに行ってきた。
他人の人生についてあれこれ思うのはいいことではないのだけれど、「つらく、悲しい人生もやっと終りましたね。お疲れさまでした。あなたが描いた美しく、楽しい天国で、お嬢さんと一緒に仲良く心安らかにすごしてくださいね」と手を合わせることしかできなかった。
私と笈川さんは、彼女の絵をきっかけにして付き合うようになったのだが、そのときはすでに笈川さんのお嬢さんは亡くなっていた。
今日、初めてお墓に行って、お嬢さんが26歳で亡くなったことを知った。
絵を描くことで一時は悲しみから解き放たれたものの、彼女の悲しみは消えることはなく、心の病気になってしまって、2000年から亡くなるまでを病院で過ごすことになった。
彼女は長年、子育てで大変な思いをし、お嬢さんが亡くなった後も自分を責め続けて苦しんでいたという。それを私に教えてくれたのは彼女のお姉さんだった。
ご主人からは「母親失格だ」と非難され、誰にも相談できないまま、孤独の中で悩み続けて、どんなにつらかっただろうと、思う。
人の死が神様に委ねられているとしたら、「大変だったね。もういいよ」と神様がいたわってくれて、笈川さんは天国に旅立っていったのではないかという気がしてならない。
10月の絵と詩 [笈川小百合さんの絵]
10月の詩
碧い空には 白い雲
海にちらばる 浪のよう
空には風船 浮かばせて
妖精たちは ゆらゆらと
光の国へ 向かいます
私は あなたを想います
遠い世界のあなたのことを
9月の絵と詩 [笈川小百合さんの絵]
9月の詩
もうすぐ お日さま沈むころ
野原は 虫の音楽会
耳を澄ませば 聞こえます
鈴虫 松虫 きりぎりす
ほんとに なんて美しい
あなたも
うっとりするでしょう
Flower Garden in Heaven―天国に行った子どもたち(14) [笈川小百合さんの絵]
Flower Garden in Heaven
お母さん わたし蝶々のように翔んでいます
風が甘い花の香りをはこんできます
なんだか やさしいお母さんの胸の中にいるみたい
天国へ行った子どもたちは今―天国に行った子どもたち(13) [笈川小百合さんの絵]
天国へ行った子どもたちは今
お母さん わたし今とても美しいところにいます。
ともだちもたくさんできました。 天使さまに守られて
こわいことも不幸なこともありません。
だからお母さん もう泣かないでね
花のとき―天国に行った子どもたち(12) [笈川小百合さんの絵]
花のとき
お母さん あなたの好きな花を見つけましたよ
うすむらさきのかわいい小さな花です
お母さんのもとにさっそくお届けしましょうね
雪のファンタジー―天国に行った子どもたち(11) [笈川小百合さんの絵]
雪のファンタジー
お母さん 天国に雪が降りましたよ
雪はわたしたちの歌声をのせて
あとから あとから 降りていきましたよ
雪だるま―天国に行った子どもたち(10) [笈川小百合さんの絵]
雪だるま
お母さん わたし大好きな雪だるまを作ったよ
これ どこかお母さんのお顔に似てるでしょ
ちょっぴりおすましの お母さんのお顔に
星のささやき―天国に行った子どもたち(9) [笈川小百合さんの絵]
星のささやき
お母さん 星がささやく夜には
わたしもお母さんの耳もとにそっとささやきます
「お母さん 大好きよ」って
雲に乗って―天国に行った子どもたち(8) [笈川小百合さんの絵]
雲に乗って
お母さん お空を見上げてごらんなさい
鳥や羊やあひるの雲が見えるでしょう
わたしがどこにいるのか見つけてね